月桃のちから☆月桃づくし
”Learn”

沖縄に移住して農業をやっている月桃好きのJさん。私も月桃好きだけれどフレッシュなものは触れたことがない!!と言ったら、新鮮な月桃を送ってくれることに☆
九州以南、特に沖縄では至る所に自生していると言われる月桃。羨ましい限りですが、月桃という文字もなんだか綺麗で素敵☆月桃の葉はそのままだと殆ど香りはしませんが、熱を加えると少し甘くスパイシーななんとも言えない香りがします。
月桃って?

月桃の葉は餅や肉や魚をくるんで蒸して食したり、葉や茎は芳香蒸留水や精油へ、花は甘酢や天ぷらやチンキ、茎や根は染色や紙になったりと、すべてを余すところなく使える素晴らしい万能植物なんです。
学名:Alpinia zerumbet
和名:月桃(げっとう)
科:ショウガ科 ハナミョウガ属 多年草
熱帯・亜熱帯、日本では九州以南、特に沖縄県に自生しているショウガ科ハナミョウガ属の多年生常緑草本。2~3mまで成長し、4月中旬頃から先が淡いピンク色の白いぷっくりとした小さなつぼみを持つ花が咲き(つぼみが桃に似ていることから月桃という名がついたという説も)、9~10月に赤い実がなります。月桃には、シマ月桃・タイリン月桃・タイワン月桃などがあり、主に利用されているのが、シマ月桃とタイリン月桃です。

沖縄では琉球の時代から祭りや行事に使用され、月桃のことを、「サンニン」「サニン」などと呼びます。旧暦12月8日に月桃の葉に包んで蒸した餅(ムーチー)を子供の歳の分だけ食べ、子どもの健康・成長を祈願します。月桃の葉は抗菌作用があると言われ、葉で包んだ餅は軒下に約1ヶ月以上吊るしておいてもカビが生えないとも言われています。
月桃を送ってくれた大浜農園さん

月桃を送ってくれたのは沖縄県の西表島の竹富町にある大浜農園さん。大浜農園さんは『無農薬栽培』にこだわって、お米を中心に黒米・黒紫米・米粉、月桃茶などの商品開発をされています。
大浜農園で働くJさんとは、ほんのわずかな期間だけれど一緒に働いたこともあって、もう少し手を抜けばよいのに…と、こちらが心配になるほど真面目で一生懸命!そして研究熱心な彼女が関わるものは安心なんデス☆
月桃の有効成分
月桃には赤ワインの34倍のフラボノイドが含まれ抗酸化作用が期待でき、抗菌・消臭・防虫作用があるとも言われています。
種子は漢方では「白手伊豆縮砂」(シロテイズシュクシャ)大草蔲(ダイソウク)といい、乾燥させて健胃・整腸・鎮静などの不調に用いられてきたようです。

月桃の実
また、月桃のデヒドロカワインという成分が皮膚病などに作用し、美肌に効果があるとしての研究結果も出ているようですネ。また、歯周病やアクネ菌を不活性化させるとして、月桃の発酵エキスを使ったマウススプレーなども販売されています。
最近の研究では植物ウイルス防除物質が発見され、農薬の代わりであったり、A型インフルエンザウイルス・新型コロナウイルスへの効果が期待されているようです。
岡山県生物科学研究所(同県吉備中央町吉川)と東京大の研究グループは、沖縄県や鹿児島県に自生する植物「月桃(げっとう)」に、トマトやナスなどの成長を阻害する植物ウイルス病を防ぐ成分があることを突き止めた。A型インフルエンザウイルスの増殖を抑えることも確認しており、ヒトへの応用が期待される。
山陽新聞より抜粋
葉⇒α-テルピネオールと1,8-シネオール 根⇒ジヒドロ-5,6-デヒドロカワイン 種子の精油⇒パルミチン酸、ピネン、シオネール、αカリオフェレン、セスキテルペンアルコール
東邦大学 薬用植物園より抜粋
※月桃の種類や育った場所、使用部位や使い方・保存方法などで有効成分が変わってきます。
また、月桃の効果効能を保証するものではありません。
月桃を使ってみる
今回は花以外全てあるので、全て余すところなく使ってみたい!というコトで、まずは葉から。

月桃の葉
月桃の芳香蒸留水月桃の葉は濃緑色で光沢とハリがあり、生のままではほとんど香りはしません。

カットして蒸留器へ
葉には「背骨」と呼ばれる葉の芯が結構しっかりしていて、カットするのに少し力がいります。

月桃の葉を蒸留中!
カットして芳香蒸留器に入れ蒸留開始!葉は熱を加えることによって、少しスパイシーで甘く爽やかな香りが部屋いっぱいに充満します。この香りをかげることが自分で蒸留する際の醍醐味でもあるので、蒸留中は胸いっぱい大きく香りを吸い込みます。

月桃の蒸留水。スプレー容器に入れて使います。
1時間半ほどで500~600mlの蒸留水がとれました☆
他の植物でもそうですが、この小さな家庭用蒸留器で精油は殆ど取れず、よく見るとうっすら上の方に精油が浮いている程度です。
月桃の芳香蒸留水は通常葉を使い、実はドライにしてお茶にしたりするのですが、実験的に少量「実」だけの芳香蒸留水もとってみました。
「葉」の芳香蒸留水はとったばかりの時は少し尖った香りがしますが、しばらくたつと角がとれて甘くスパイシーな良い香りに変化します。
「実」の芳香蒸留水は「葉」と比べると甘さがなく、もっとすっきりした感じに。

左から月桃の生の葉のチンキ・ドライの葉のチンキ・実のチンキ
月桃の水溶性・脂溶性両方の有効成分を抽出するために、月桃のチンキを作ります。最近チンキは無水エタノールを推奨しているようですが、今回は飲用として使用したいので、40度のウォッカを使用します。チンキはドライを使用することが多いですが、せっかくなので実験的にフレッシュ30gを300mlのウォッカに漬けたものとドライの葉15gを300mlのウォッカに漬けたものを作ってみました。3週間ほどつけてみて比べてみます。
月桃のサシェ
抗菌・消臭・防虫作用があると言われているので、サシェを作ってみます。
カットした月桃の葉を乾燥させて布に詰めるだけ!(感じ方は人それぞれですが)人にとっては好い香りなので、衣類にほんのり香りがつくのも良いですね。
※衣類につくと変色等することもあるので注意が必要です
月桃料理

月桃はショウガ科なので生姜焼きの様に使えないか?とJさんが実験したそうですが、ショウガ科といっても生姜のような辛さがないため、ぼんやりとした味で微妙だったそう。今回は料理家の康代さんにお願いして葉・茎・根を使用した料理を実験的にお願いしてみました☆

写真の月桃の根は本当はもう少し赤味がかっていましたが、時間が経ってしまい茶色くなってきてしまったのでこちらは染色に使ってみたいと思います☆
☆準備中しばらくお待ちください。
最後に
月桃のフレッシュなものは、沖縄の方でない限りなかなか手に入らなかったりするので、そんな時は大浜農園さんの月桃茶もおすすめです。

パッケージが素敵な大浜農園さんの月桃茶☆
袋を開けるとなんとも爽やかで甘くスパイシーな香りが!!
健胃・鎮静作用があると言われている月桃の「実」ですが、本当に作用するかしら?!?と実験心がウズウズ笑。胃がシクシクする時を狙って、実験的に飲んでみました。
・・・
勿論すぐ作用するわけもなく…
そうだよね~と思いながらしばらく忘れ…
・・・
夕方に、あ!!っと気づいた時には胃の痛みが消えていました☆

お茶は淹れると綺麗な黄金色に。
大浜農園さんの月桃茶には葉と実を使用しているので、この年末年始で胃の調子が…などという時にも常備しておくと安心ですネ♡
大浜農園さんの月桃茶と黒米セット☆