一度は見てみたい☆南仏・プロヴァンスのラベンダー畑はラバンジン!

”Experience”

セナンク修道院のラベンダー畑
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4年前の今頃に行った南仏・プロヴァンス。ハーブと言えば?の代表格でもあるラベンダー。有名なラベンダー畑を一目見てみたい!ツアーとかではなく、自力でバスとか乗り継いで行こう☆



なんてあま~い考えを観光案内所で一蹴され、スケジュールに余裕がなく、既にいっぱいだというのを無理を言って参加させてもらったのが英語のツアー。英語の出来ない私はなんとなく?しかわからず…英語を勉強するぞ!と心に誓ったあの遠い記憶…
ではなく!ラベンダー畑☆

南仏・プロヴァンスのラベンダー畑

南仏・プロヴァンスのラベンダーは7月~8月にかけて満開になります。もうすぐラベンダー畑は満開になるハズ☆
フランスに行ったことがなくても、下の写真は一度は見たことがあるのではないでしょうか?フランス・アヴィニヨンから車で約50分ほどの所にある、シトー派セナンク修道院(Abbaye Notre-Dame de Sénanque)。電車はもちろんバスも走っていませんから、行く手段はツアーかレンタカー、もしくはヒッチハイク!自力で行きたいと言っていた割にはヒッチハイクする勇気はなく…結局ツアーを選択。そして!ここシトー派セナンク修道院は、フランスのラベンダー畑と言えば?…には外せない場所と言っても良いかもしれません。

4年前のシトー派セナンク修道院。6月末だったので、満開には少しだけ早く6~7部咲き。

シトー派セナンク修道院は厳格な規律があり、現在も修道士達がここで生活していることでも知られています。その修道士の方たちがラベンダー畑を管理しています。ただ…ラベンダー畑と言っていますが、正確にはラバンジン畑。

ラベンダーって?

ラベンダーは古代ギリシアの時代にはすでに薬用・美容に使用され、品種はフレンチラベンダー(Lavandula stoechas)だったと言われています。現在ラベンダーと言えばイングリッシュラベンダー(Lavandula angustifolia)。

ラベンダーの語源は、消毒・治癒作用がローマ人に知られていたため、ラテン語の洗うという「ラバーレ」沐浴に使われ心身を浄化するとことに由来すると言われています。
14世紀にブルゴーニュで栽培されましたが、ラベンダーは主にプロヴァンスで育ち、その暖かく晴れた気候は最高のものを引き出すと言われています。

ラベンダーと言っても産地の違いや種類が沢山ありますが、普段何も知らずに手にする雑貨店などの学名がついていないアロマオイルは、ほとんどラベンダーではなく合成香料かラバンジンだとも言われています。ラベンダーは高級化粧品などやラベンダーの学名がきちんとついた精油(エッセンシャルオイル)に使われます。

ラバンジン精油

セナンク修道院で購入した、ラバンジンスーパーとラバンジンの精油(エッセンシャルオイル)。ラバンジンスーパー(写真左)はラベンダーに近くカンファーが弱いと言われているのですが…旅の途中で泊まった部屋で使っていたら、宿のオーナーに怒られるほど強烈な香りでした汗

ラベンダーとラバンジン

ラバンジンは真正ラベンダとスパイクラベンダーの自然交配したハイブリット種。この交配は花から花へ飛び回り、花粉を運んだ蜜蜂によって引き起こされたものと言われています。

Sault(ソー)付近のラバンジン畑

Sault(ソー)付近のラバンジン畑


真正ラベンダー(Lavandula vera)(Lavandula angustifolia)(Lavandula officinalis)
学名のangustifoliaとは「小さな葉」を意味し、株の姿はスパイクラベンダーより小さく、花茎が短く分枝しません。
種から得た株の花穂は、白ピンク・紫・青などの色々な花を咲かせます。(海抜800〜1200mの冷涼な高地で成長)
成分:酢酸リナリル・リナロール・ラバンジュロール

スパイクラベンダー(Lavandula spica)(Lavandula latifolia)
学名のlatifoliaとは「大きな葉」を意味し、丈高く生長し長い花茎が沢山の花穂をつけます。(海抜200〜800mの低地で成長)
成分:リナロール・1.8シネオール・カンファー

ラバンジン(Lavandula hybrida)
真正ラベンダーとスパイクラベンダーの自然交配種。ラベンダーより耐寒性が強く大きいのが特徴で、3つに枝が分かれ、少し灰色がかった淡い紫色の花を咲かせます。交雑種なので種子をつくれない為、クローン栽培(挿し木)で増やすので、コピーしたような株立ちの花畑になるのが特徴。
成長が早く、病虫害にも強く適応能力が高いので、沢山の収穫が出来、精油(エッセンシャルオイル)の収量も多いと言われています。
(海抜400〜700mで成長)
成分:リナロール・酢酸リナリル・カンファー

1920年代、エッセンシャルオイルの生産量の90%は野生のラベンダーからのものでした。30年後に根本的な変化があり、ラベンダーよりも多くの花をつけるラバンジンが発見され、現在ラベンダーの栽培面積のほぼ90%がラバンジンが占めていると言われています。

ラベンダーの主な作用は鎮静作用・抗炎症作用。育てやすさと効率化から広がっていったラバンジンですが、ラベンダーにはないカンファーが含まれているのでリフレッシュ作用・抗炎症作用があると言われています。簡単に言えば昼はラバンジン、夜はラベンダーが向いているのかもしれません。用途によって使い分けたいですネ☆

南仏・プロヴァンス周辺

南仏・プロヴァンスには沢山の見どころがありますが、フランスで最も美しい村100選に選ばれた村『Gordes』ゴルド。『Gordes』は丘の頂に向かって、石造りの家々が丘に張り付くように建っている『鷹巣村』ですが、見事な景観を保っているのは『Gordes』だけともいわれています。

その『Gordes』村の近くにある養蜂場の”ラベンダーはちみつ”が美味しかったんです☆

ラベンダー(ラバンジン)と蜂

ラベンダーやラバンジンが満開になる頃(7~8月頃)、蜜蜂がその蜜を吸いにやってきます。南仏・プロヴァンスではラベンダーやラバンジンの蜜を吸った”ラベンダーはちみつ”が至る所で販売されていましたヨ☆

日本に帰ってからもその味が忘れられず、”ラベンダーはちみつ”は色々試しましたが、あれを超える味にはなかなかたどり着かないなぁ~その中でもちょっとざらっと感が近いラベンダーの”はちみつ”。またあのラベンダー畑(ラバンジン畑)をみられる日が来ますように☆

“Foods”

ラベンダーはちみつ

参考文献

“Books”

南仏・プロヴァンスのラベンダーを知るなら☆
南仏・プロヴァンス地方の美しい伝統としてのラベンダーの全容が丁寧に綴られています。ラベンダーを愛し育てたプロヴァンスの人々へのインタビューから、ラベンダーの歴史や栽培方法、ラベンダーとラバンジンの違い・増やし方・世界のラベンダー事情・利用法まで。プロヴァンスのラベンダーの世界を堪能出来る一冊。

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南仏・プロバンスのハーブの取材旅行記☆
少し古めの本で情報が古いところもありそうですが、南仏・プロヴァンスに実際住んでいる方を訪ね、ハーブがあたり前に生活に根付いているその暮らしぶりや使われ方、ハーブ料理のレシピなどを紹介。あちこちにハーブのある光景が、一緒に旅行しているような気分になれる一冊☆

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yurico

Designer / JAMHA herbal practitioner

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