メディカルハーブについて

”About Medical Herb”
現代医学の発達によりハーブは長く忘れられてきた存在でしたが、近年では薬への副作用や生活習慣病・未病など、西洋医学では全て対応しきれない問題が出てきたこと、また健康・美容や環境志向への高まりによる意識の変化から、代替療法としての植物療法が見直されています。
ハーブについて
人の身体に備わっている自然治癒力を引き出していく自然療法、ハーブも自然療法の一つです。
ハーブは薬とは違い、単一成分ではなく多くの成分が含まれており、作用がとても穏やかで副作用の心配がないと言われているのが特徴です。
植物の成分は20万種以上とも言われ、まだ科学的に解明がされていないことが多い分野ですが、薬の存在しない古代から薬草(ハーブ)は人々を癒し、今でいう薬の役割を果たしてきました。
ハーブの歴史
ハーブ(herb)の語源はラテン語でherba=ヘルバ「草・草木」。
ハーブの歴史は紀元前3000年頃の古代エジプトやインドと言われ、資料として残っているのは紀元前1700年頃の「エーベルスパピルス」にアロエなど約700種にのぼるハーブが記述されています。
ヨーロッパでは古代ギリシャ医学の父であるヒポクラテスが約400種のハーブを処方、ディオスコリデスの「マテリア・メディカ」では約600種のハーブが扱われていました。
その後、ギリシャ医学はアラビア医学と融合しアロマオイルの発明がされたことで知られるユナ二医学と交わり発展していきます。
一方、中世のヨーロッパでは薬草を一般市民が扱う事は禁じられ、修道院のみで扱われました。ドイツでは修道院長であるヒルデガルトがドイツ薬草学を創始し、今でもその思想やレシピが語り継がれ、多くの書籍も残しています。
当時ヨーロッパ中を襲ったペストの蔓延を救ったのは、こういったハーブの知識でした。
また、インドではアーユルヴェーダ、中国では中医学など、文明の発展と共に世界中でハーブは伝承医学として人々の生活に根付き発展していきます。
その後、十字軍の遠征や大航海時代を経て、様々な地域の伝承医学で使われてきたハーブがヨーロッパに伝えられ研究され、西洋医学の発展や医薬品のもとにもなる役割を果たします。
今のメディカルハーブ
日本メディカルハーブ協会では、ハーブ(Herb)は一般に『ハーブは生活に役立つ香りのある植物』をいい、健康管理や美容を目的に活用する領域をメディカルハーブと定義しています。
ヨーロッパでは日本とは違い、
フランスは国家資格を持った専門家が、エルボリストリと呼ばれる薬草薬局でハーブを処方してくれます。またドイツでは 国家資格の自然療法士である「ハイルプラクティカー」が治療を行っています。
現代の薬の半数近くは、ハーブの薬効成分を単離しそれをもとに合成して作られていったとも言われています。
日本ではハーブは食品扱いです。ハーブは薬の代わりになるものではありませんが、病気にならないよう、毎日のちょっとした不調、美容に日々の暮らしに賢く取り入れれば私たちの心身を癒してくれる存在であることは確かです。
メディカルハーブで大事なこと
ハーブは穏やかで全てが身体に良い作用をもたらすわけではありませんし、薬効が強く副作用のあるものや、中には有毒なものも存在します。また、国によって同じハーブでも扱いが違ったり、捉え方が違うものも存在します。
キク科のハーブはキク科アレルギーの方には禁忌、鬱などの症状に使用されることの多いセントジョンズワートは国によっては薬として処方されたり、イチョウ葉などの薬の飲み合わせや相互作用に注意が必要なハーブもあります。
日本ではハーブは食品の取り扱いで、ハーブティーとして日本に輸入されているものは、食品として取り扱えるハーブですが、個人輸入や個人で栽培などする場合などはその旨ではありません。ハーブは身体に様々な良い作用をもたらせてくれるだけでなく、逆の作用もあることを頭において、不安がある場合は、安易に使用せず専門家、医療従事者のアドバイスをもらうことも重要です。
ハーブ・植物や自然が与えてくれる力を受けとり賢く活かしていく。 たくさん学び、賢く生活に活かしていきましょう。