ネロラ公妃も愛した☆幸せ度を上げるネロリの甘くビターな香り
”Make”

今では情報過多でどの情報を選ぶべきかが問われているほどの時代です…が、昔は情報が少なく、幼少時代から結構な大人になるまでアトピーに悩まされ…使っているシャンプーや化粧品、はたまた口にする食品で当たり前に身近にあって口にしていたものが身体に及ぼす影響について深く考えていませんでした。

ある時期から、全部は無理でも自分の使う基礎化粧品は出来るだけ自分で作り、植物を蒸留したいとまでマニアック?に思うように。今では蒸留器を手に入れ色々な植物を蒸留するのが楽しみになっています☆
もちろん出来たものに対して起こることは自己責任。劣化して雑菌が繁殖したり、濃度が肌に与える影響や消費の短さなど…手間もコストも意外とかかります。色々調べたり勉強しにいったり…わからないことは沢山で試行錯誤は今後も続きますが、それも楽しみのひとつ。
その中でも蒸留していてキッチンが香りで充満した時の幸せ度?はビターオレンジの花(ネロリ)が一番かもしれません☆
ネロリって?

枝葉付きのビターオレンジ
ネロリはビターオレンジの花を水蒸気蒸留法で得られた『精油』のこと。ビターオレンジは10mほどまで伸びる常緑樹で原産はインドのアッサムなど。丈夫な楕円形の葉はつやつやしていて、ビターオレンジの花は、とても強いフローラルで”くらっと”するほど甘くて少し苦みのある香りを放ちます。
学名:Citrus aurantium、Citrus vulgaris
※Citrus vulgarisは上質のネロリ精油が採れると言われています。
英名:Bitter orange
和名:ビターオレンジ、ダイダイ(橙)
科:ミカン科

ビターオレンジは、花からネロリ精油、枝葉からはプチグレイン精油、果皮からビターオレンジ精油が採れ、開花前の花のつぼみを乾燥させたものはオレンジフラワーと呼ばれます。
※スイートオレンジ(Citrus sinensis)とは別物です。
ビターオレンジ 【主要成分】酢酸リナリル・リナロール・dリモネン・ネロール・ゲラニオールなど。(ネロリドールは精油) 【作用】不眠・抑うつ・鎮静作用など 心を緩めて精神的な不安の改善、不眠などに良いとされています。 【肌への作用】 肌細胞再生・収れん ※果皮から採れるビターオレンジ精油には光毒性があるとも言われているので、紫外線などに注意が必要です。 |

左:ネロリ精油(Citrus aurantium ssp. Amara)(花)
右:スイートオレンジ精油(Citrus sinensis)(果皮)
ネロリ精油は鎮静作用が高く『天然の精神安定剤』とも言われています。どの精油でもそうですが、小さな小瓶に精油をいっぱいにするのには何キロ~トンもの植物が必要になります。その中でも高価な精油の一つにあげられるネロリ精油。スイートオレンジ精油と比べるとビターと言うだけあって、苦味があり深い香りが特徴です。
ネロリの語源
ネロリは17世紀のイタリアのローマ郊外のネロラ村(nerola)領主であるフラビオ・オルシニの領地で採れたネロリの精油を、妃であったアンナ・マリア(ネロラ公妃)が自身の手袋・便箋や身の回りの品に好んでしみ込ませて使い、社交界で紹介し評判になったことが由来と言われていますネ。
ネロリの芳香蒸留水・チンキ

今年もビターオレンジの花を楽しめる短い季節がやってきたので、芳香蒸留水やチンキを作り香りに癒されます。今年は静岡県と長崎県からお取り寄せ。状態によって使い分けをします。
芳香蒸留やチンキには開花したばかりの花を使用するのですが、配達されてきた時期がかなり暖かく、だいぶ花が咲いてしまったり…あれもこれもやりたかったなぁと…後になって色々出てきますが、それは来年に持ち越します☆
今の時期なんだか鬱々としたり、不安になったり。寝つきが悪いな…などという方にオレンジフラワーはおすすめのハーブティーです。ネロリ精油は高価ですが、お手軽な芳香蒸留水ネロリウォーターも精油と成分的には近いと言われていますので、ちょっと気分転換にシュッとひと吹きして大きく深呼吸!!おすすめです☆
参考文献
ハーブウォーターの世界☆
ネロリウォーター☆
スウェーデンが誇るプレミアムウォッカ☆